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ポリーニ様講演会語録 [クラシック]

少し前の話題になりますが、10/18に、今来日中のピアニスト、マウリツィオ・ポリーニ氏が、今年の高松宮殿下記念世界文化賞を受賞した記念に開催された座談会(@サントリーブルーローズ)を聴講する機会を得ました。

その前日10/17のサントリー・ホールでのリサイタルを聞きました。そのプログラムは、ショパン、ドビュッシー、ブーレーズという構成で、古典から現代音楽までの流れを伝えようとするものだったと思います。アンコールは、ドビュッシー、ショパンに戻るという、予め計算された構成かと思わせました。ただ、アンコール最後のショパンのバラード第1番は、アンコールにしては長い曲だなと思いました。演奏のすばらしさについては、言葉にすることはできません。

さて、その翌日に行われた座談会です。私は現代音楽については素人なので、印象に残った発言のみの抜粋です。

この日は、ポリーニ氏が現代音楽について新進の作曲家藤倉大氏と対談すると予告されていたのですが、開始前に、ポリーニ氏の希望で、会場の聴講者からいくつか質問を受けて、それに答える形で始めたいとの旨が伝えられ、質問者を募るところから始まりました。

その質問の中に、前日のリサイタルのアンコールの選曲についてのものがありました。初めからこの構成を考えていたのかという質問に対して、ポリーニ氏の答えは、「アンコール曲は基本的にその場で決めるものだ。特にショパンのバラードについては、最近まったく練習もしておらず、その場で弾こうと思った。」というものでした。
準備もせずにあの演奏だったのかと、感心を通り越えた感想を持ちました。

前日演奏したブーレーズのピアノソナタ第2番に関しては、日本では楽譜の入手が困難で、ポリーニ氏の演奏を聴いて弾いてみたいと思っても、それができない。こうした状況についてどう思うかとの質問がありました。これに対しては、「日本で楽譜の入手が困難なことは知らなかった。ヨーロッパでは容易に入手できるから。でも、今ではインターネットを使えば入手できるでしょう。」との答えでした。

音楽教育に関しては、「古典一辺倒ではなく、若い頃からもっと現代音楽の演奏機会を増やすべきだ。日本の固有の音階は、現代音楽にも通じるところがあるので、日本人の方が親しみを持てるのではないか。」といった発言がありました。

2011年から2012年にかけて計画しているプロジェクトの紹介もあり、次の機会を期待させる対談でした。

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